芥川荘

平成13年度 登録文化財認定「芥川荘」

芥川龍之介と久米正雄が泊まった「芥川荘」は、近代建造物の保護を目的とした文化庁の登録文化財に登録されています。

「芥川荘」は明治30年代に建てられた平屋建ての木造建築で、千葉県教育庁文化課は「母屋の三方に縁を持つ造りは、避暑地の伝統的な建物で、良好な景観が今も保存されている」とし、新聞記事では「かやぶき屋根の寄せ棟造りは九十九里地方の伝統的民家建築の技法で建てられた避暑地の建築を今も色濃く残している」と紹介されました。
 登録文化財とは文部科学省が現在使用しながら文化財として価値の高い貴重な建物の保護を目的に文化庁に登録するもので、最近の千葉県内では別項のような建物が登録されています。

 なお、「芥川荘」は、芥川龍之介文学碑を建立して10周年の年に登録されましたが、登録にあたっては一宮町の関係各位の強いご推薦とご尽力がありましたことを忘れることはできません。ここに感謝の言葉を加えさせていただきます。

平成13年度「碑前祭」

 芥川龍之介と農民歌人小高倉之助の文学碑を建立して10周年となる碑前祭は、登録文化財認定の同年、平成13年5月13日(日)に行いました。当日は沼田武前千葉県知事をはじめ約200人の方々にお集まりいただき、碑への献花や献句、短歌大会、鳥海宗一郎先生の卓話「芥川龍之介と谷崎潤一郎」などが行われました。

 一宮館では、今後も永遠にこの偉大な作家のさらなる理解と、文学の啓蒙につとめて参りたいと思っています。写真は大勢の人々を迎えた芥川荘